所長と助手

私は人の顔を覚えるのが苦手だが
助手は人の顔を覚えるのが得意である。

私は人の名前を覚えるのが得意だが
助手は人の名前を覚えるのが苦手である。

私は自分の車を停めた場所を覚えるのが苦手なので
いつも助手に引っ張ってもらっている。

助手は自分の目的のモノを見つけると
他のものが見えなくなってしまうので
私が周囲の人への気遣いをしている。

私は部屋の時計の音ですら気になって眠れないが
助手は線路沿いの部屋でも爆睡できる。

私はダイヤモンドゲームが苦手なので
それが得意な助手と対戦する時は
得意のイカサマを使って
馬鹿正直な助手をあっさり負かしてしまう。

助手が歌うと大抵音が外れているので
私が一緒に歌って補正している。

助手はヒラメキに乏しく
私は手先が不器用だが
私がヒラメいたものを
手先が器用な助手が作るとミラクルが生まれる。

私の苦手は助手の得意で
助手の苦手は私の得意。

聴覚優位の所長と視覚優位の助手。
それぞれ個人では並に劣ってしまうけれども
実のところ、二人揃えばサイキョーなのである。


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