再手術までの経緯

できれば「精巣ガン」というタグではもう二度と記事を書きたくないなぁ、と思っていたのですが、どうやらそうもいかないようなので、ここに記しておきます。
症例はなかなか少ないようですので、情報を残しておくことで、誰かの何かの助けとなれば幸いです。

「今回はかなり初期の段階で見つかってますので、転移することは…まぁ、まず無いでしょう」

早いもので、主治医(※当時)からそんな話をされてから2年が経とうとしていた。
当時、助手へプロポーズを予定していた私は、主治医の勧めで精液検査に臨んでいた。
なんでも、精巣ガンと無精子症は関係がある場合があるとかで、「念のため」という名目で、である。

…その、検査とはご想像の通り。
内側からカギが掛けられる別室に案内され、DVDデッキと(検閲により、削除)及び(検閲により、削除)を渡されて、必死に笑うまいと努力しているのがなんとなく窺えてしまう看護師から一通り説明を受けたのち、あとはご自由に、といった感じである。

とりあえず助手っちを連れて入室し、一通りそれらの雑誌(ちなみに放課後教師やらギャルやら書いてあった気がする)を興味深く調べた上で、助手には退室してもらい、検体を入手し、そのまま提出した。

結果は「ほぼゼロ」

重度乏精子症。
ゼロではないが、精子が極めて少ない状態を指す。
重度乏精子症の中でも極めて重いグレードに分類されるということで、具体的な数値を言うと、正常値が数千万匹だとすると、私は7匹、とかそんな感じである。
何しろ、通常は精子濃度が%表示されるところを私の場合は匹数で表示され、SMI値(精子運動性指数)に至っては低過ぎて測定不能ときた。

あ、ちなみにSMI値を調べているときに、yahoo知恵袋なんかで「旦那のSMI値が○○なんですけど…」みたいな悩みをよく見かけましたが、この通り、世の中にはその数値が限りなく0に近い人もいるのよ、ということをどうか覚えておいてほしいです。まぁ、だからなんだってハナシですけれども。

その病院は、不妊に関する設備が整っていないため、紹介状をもらって別の大きな病院で診てもらうことになった。
そこでこれまた『念のため』エコー検査を受けることになったのだが…

「私、長いこと泌尿器科医やってきましたけど、こんなキンタマ初めて見ました…」

後に主治医となるドクターは私に向けて第一声、そう放った。

「いやぁ…照れますね。。。」

と、咄嗟に切り返すも、この時の私の表情は不信感をたっぷりと含んでいただろう。
というか、このブログの検索流入ワードがキンタマで埋まってしまうので、あまりキンタマキンタマ言わないでもらいたい。

「それで、ここなんですけどね。エコーだとよくわからないのですが、ガンのようなものが見えますね…」

Oh….

そんなこんなで、念のために調べた精液検査で判明した乏精子症を治療相談するために、念のため受けたエコー検査でガンらしきモノが見つかる事態に。
ヒトではどーにもならんということで、判定は機械に委ねられたのだが…

CT「異常なし」

MRI「ガンの転移であっても矛盾しません」

私のタマが小さすぎて(先天性睾丸萎縮症)機械ですらそれがガンであると断定できず。
そこから私の処遇をめぐって、総合病院で何度も全体会議にかけられ、名のある先生方が否応なしに私の名前を覚えるほどの時間を経て、ようやく出た結論は…「手術」。

この間、3ヶ月。
かくして私の名は「例のキンタマの患者」として近隣の医学界に名を轟かす存在となったのであった…

――「所長手記」2016年2月より

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