「今日は特に仕事が無いので自主的活動とします!」
先生が放ったその一言は
私をホームセンターへと駆り立てた!
でしたら私、ちょっと農具を新調してきます!
まさか先生も自主的活動と称して
私がホームセンターへ行こうとは思わなかったことだろう。
私はそのまま職場を後にした。
一応、先生にも収穫包丁について聞いてみたのだが
この地域では私が収穫包丁と認識している刃物を
使っている人を見たこと無いそうだ。
やれやれ、確かに誰も使わないものを
農協に置くはずもないわけだ。
職場近くのホームセンターへ
この店は地元に何件かあるものの
発祥の地は他県ということで
ひょっとしたらあるんじゃないかと思ったら
あっさり見つかって、私は結構安心した。
やっぱりこれじゃないとね。
そうなると、今度はこの包丁を携帯できるような
皮製品的なモノが必要になってくるのだが
どれだけ店内を歩き回っても
「これだ!」というものがない。
そこで、自分で作ろうと思い立ったわけだ。
向かった先はイオン内にある手芸店。
おやおや、『自主的活動』がちょっと
怪しくなってきたぞ。
とりあえずチャレンジ
レザークラフト工具セットと皮の端切れを購入し
職場へ持ち帰った私は
すぐさま開封し、何をすべきが考えた。
手元には、針と糸。
えーと、とりあえず縫えばいいのかな?
適当なボールペンで
包丁が入るサイズをマークし
糸を通した針をぶっ刺そうとしてみたのだが
うわ、全然入っていかない!
皮が厚過ぎて針で貫通することができなかった。
うーむ、何を間違えたのだろう。
考えていると、同僚の1人が
農業技術検定の問題集を片手に近づいてきた。
「このノミみたいなやつを使うんじゃない?」
あー、なるほど!
あらかじめ穴をあけておくのね!
えーと、名称は…穴あけポンチ?
さっぱりわからなかったが、
周りの同僚の方々に言われるがまま
ゴム版を下に敷いて
ポンチを木槌で打ち込んで
穴をあけていき、
感性に任せて縫ってみた。
(職場を巻きこんでいくスタイル)
うーん、何かが違う気がする。
が、今の私にはこれが限界。
これを私のスタートラインと定義するとして…