新たな試作品を携えて
鼻歌でお着替えBGMを奏でながら
シャララーンと、装着完了。
いざ、現場へGO!
あえて激しい動作をしてみる
玄関をクラウチングスタートで飛び出した私は
曇り空の中、手のひらを太陽に透かしながら
仮想のテロリストに向かって
真空とびひざ蹴りを披露した。
> カラーン!
何かが床に転がって音を立てた。
おや、おじいさん。金歯が落ちましたよ。
抜け目のない現実逃避ののち
それが私の包丁であることに理解するまで
そう時間はかからなかった。
突き抜けた動作をしたためか
包丁が縫い目を切り裂いて
鞘を突き抜けてしまっていた。
はてさて、どうしたものか。
「グラスファイバーを使うのはどうだろう?」
(元役場職員・40代)
「刈払機の保護素材を加工してみてはどうか?」
(自営業・50代)
グラスファイバー…!
そういえば、助手とホームセンターへ行った時
助手も提案していたような。
防刃性能に優れているようで
中に縫い付けてある布の代用にどうか、とのこと。
刈払機の保護素材というのは
こちら。
包丁に合うサイズに切って
中に入れれば今回のような事態を
防げるのではないか、ということで
廃材利用の一環としてGET。
さすが皆様、職場の同期といえども
人生の先輩だけあって
私が思いつきもしなかった案が続々と出てくる。
ここまで職場を巻きこんでおいては
私も期待に応えねばなるまい。
早速、帰って改造せねば!